美しい蹴り技が目を引く格闘技
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韓国の格闘技であるテコンドーは、足技を主体とする競技です。
ネリョチャギ(かかと落とし)
ターンチャギ(回転蹴り)
ティッチャギ(後ろ蹴り)
など、素早く華麗な足技が特徴です。
動画出演:4段 泉谷道場長
よくテコンドーを、「足のボクシング」と例える事がありますが、これはかなり適切な表現と言えます。体全体・フットワークを駆使し、パンチ(拳)の代わりにキック(足)で戦うのがテコンドーです。
素早い足技には、他の格闘技にはない「美しさ」があります。そして、戦うだけではなくプンセと呼ばれる「型」の美しさを競う場も設けられています。
「速く、美しい。」
これがテコンドーの特徴と言えるでしょう。
テコンドーの試合形式
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テコンドーの試合の事を「キョルギ」と呼びます。
キョルギ(試合)では「階級制」を採用しており、
男子
-54Kg 54.0Kg以下
-58Kg 54.1Kg ~58.0Kg
-63Kg 58.1Kg ~63.0Kg
-74Kg 63.1Kg ~74.0Kg
-80Kg 74.1Kg ~80.0Kg
-87Kg 80.1Kg ~87.0Kg
+87Kg 87.1Kg以上
女子
-46Kg 46.0Kg以下
-49Kg 46.1Kg ~49.0Kg
-53Kg 49.1Kg ~53.0Kg
-57Kg 53.1Kg ~57.0Kg
-62Kg 57.1Kg ~62.0Kg
-67Kg 62.1Kg ~67.0Kg
-73Kg 37.1Kg ~73.0Kg
+73Kg 73.1Kg以上
というように階級分けされています。
2分3ラウンドという制限時間の中でポイントを競い、より多くの蹴りをヒットさせポイントを獲得したほうが勝者となります。(KOの場合もあります)
WTFテコンドーでは安全面を考慮し、防具を装着した状態でキョルギ(試合)を行います。近年では判定をより明確にするために「電子防具」が採用されており、蹴りの当たり判定が目視以外でも行えるようになりました。
オリンピックとテコンドー・日本人選手の活躍
1988年のソウルオリンピック、1992年のバルセロナオリンピックでの2度の公開競技を経て、2000年シドニーオリンピックにおいて公式種目となりました。
そのシドニーオリンピックで銅メダルを獲得し、続く2004年アテネオリンピック・2008年の北京オリンピックと、3大会連続出場を果たした岡本依子選手の活躍により、ようやくお茶の間でもテコンドーという競技が注目され始めました。
その後の2012年ロンドンオリンピックでは、49キロ級で笠原江梨香選手・57キロ級では濱田真由選手が活躍。また、濱田選手においては2013年WTF世界テコンドー選手権大会で銀メダル、2015年の同大会では見事金メダルを獲得しました。
これからのテコンドー
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WTF(世界テコンドー協会)には現在、世界211カ国以上が加盟し、テコンドーの競技人口は7000万人を超え多くの人に親しまれています。
その勢いは健常者の人だけではなく、知的・身体的に障害のある人にも良い影響を及ぼしており、2015年よりINAS(世界知的障害者スポーツ連盟)ワールドカップで、正式種目になりました。
そして、2020年にはアンプティークラスの試合が、パラリンピックの公式種目として採用されることも決まっています。
このようにテコンドーは年々「誰でも分け隔てなく楽しめる・チャレンジしやすい格闘技」として現在進行形で勢いを増しながら、世界中の人に広まっています。